
令和6年分確定申告:医療費のマイナポータル連携
税務会計コンサルティング部
税務・会計確定申告における「医療費控除のマイナポータル連携」はご存じでしょうか。令和6年分の確定申告では、医療機関や薬局で支払った医療費データを自動で取得し、確定申告書へ簡単に反映することができます。
この仕組みを活用することで、領収書を手作業で整理する手間を省き、医療費控除の計算ミスや記入漏れを防ぐことができます。また、電子データとして保存されるため、紙の領収書を保管する必要がなくなり、申告後もデータを確認できるメリットがあります。

マイナポータル連携のイメージ(出典:国税庁)20250203
とはいえ、事前に設定が必要だったり、一部の情報は連携されなかったりと、ひと手間は必要です。本コラムでは、代表的な3点についてお伝えします。
必要なもの
マイナポータル連携をするためには、下記が必要になります。
- マイナンバーカード
- マイナンバーカード読取対応のスマホ
- マイナンバーカードのパスワード2つ
①署名用電子証明書のパスワード(英数字6~16文字)
②利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)
案外「パスワードを忘れてしまった」という方が多いように思います。
もし、パスワードを忘れた場合やロックされてしまった場合は、公的個人認証サービスのポータルサイトをご確認ください。
ご家族の医療費を加えたい場合
医療費控除の対象には一定の要件を満たすご家族の医療費も含めることができます。
マイナポータル連携をすると、自分だけの医療費通知情報は取得することができますが、ご家族の医療費通知情報は取得できません。
この場合は、事前にマイナポータルで「代理人の設定」を行うことにより、申告に含めることが可能なご家族の医療費通知情報をマイナポータル連携で取得することができます。
マイナポータル連携できないもの
マイナポータルでの医療費通知情報の取得対象としては、医療機関等で受診した場合となりますので、ドラッグストアで購入したお薬の費用は対象外となります。
その他、取得対象外となるケースは以下の通りです。
- 高額な医療費を医療機関等の窓口で支払い、後日、保険者から支給を受けた場合の高額療養費
- 立て替え払いをしたときの療養費(保険資格を確認できずに受診した場合やコルセット等の治療用装具を作成した場合など)
- はり・きゅう、あんま・マッサージ・指圧の施術費用
- 整骨院・接骨院で受けたときの柔道整復療養費
- 保険適用外の費用(自由診療や差額ベッド代、後発医薬品がある医薬品で一部の先発医薬品の処方等又は調剤を希望した場合に支払う「特別の料金」など)
なお、医療費通知情報は毎年2月9日以降に前年度1月から12月までのデータが取得可能となるため、それ以前の時期には情報が取得できませんのでご注意ください。
これらの便利な機能を使って、余裕を持って確定申告を済ませましょう。
(参考)
■確定申告はマイナポータル連携で自動入力(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/r6_smart_shinkoku/pdf/02.pdf
■医療費控除を受ける方へ(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/iryou-koujo.htm
■マイナポータルの医療費通知情報に含まれない費用は、どのようなものがありますか。(国税庁)https://faq.myna.go.jp/faq/show/4921?category_id=18&site_domain=default
2025年2月3日
著者紹介
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