4月から始まる新しい給付金 ~育児時短就業給付金について~

大城 未久

人事労務

2025年4月から、育児中の従業員が時短勤務制度を選択しやすくすることを目的に「育児時短就業給付金」という新しい給付金制度が始まります。

「育児時短就業給付金」は、育児のために時短勤務にしたことで賃金が減った従業員を支援する制度で、申請は原則事業主が行います。

【対象となる要件】
①雇用保険の被保険者である
②2歳未満の子どもを養育するために育児時短就業をしている
③育児時短就業前と比較して賃金が低下している
④育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて育児時短就業を開始している
または
④ 育児時短就業開始前2年間に、被保険者期間が12か月あること
上記①~④についてすべて満たす場合が対象です。

性別や時短就業をする前に自分自身が育児休業を行ったかは問われず、育児時短就業前と比べて賃金が減った等の要件を満たした場合に支給されます。

【支給額・支給率】
原則として、育児時短就業中に支払われた賃金の10%相当額が支給されます。
ただし、育児時短就業前の賃金水準を超えないように調整されます。
育児時短就業時の賃金が、時短就業前の賃金水準と比べて減っていないときには支給されません。

参考:厚生労働省 育児時短就業給付金リーフレットより

【支給を受けることができる期間】
原則として、育児時短就業を開始した日の属する月から、育児時短就業を終了した日の属する月までの各暦月について支給されます。

下図の例で説明をすると、
4月21日に育児休業から復帰と同時に時短就業を開始。
時短就業時の賃金が、時短就業開始前の賃金水準と比べて減っている場合に、
育児時短就業を開始した4月21日の属する月である4月から支給対象の月となります。

そして、3月20日に時短就業を終了しているので、3月20日の属する月である3月までが支給対象の月ということになります。

参考:厚生労働省 育児時短就業給付金リーフレットより

【2025年4月以前から時短就業をされている方について(経過措置)】
2025年4月1日より前から2歳未満の子を養育するために時短就業を行っている場合は、
2025年4月1日から育児時短就業を開始したものとみなして、要件を満たしている場合は支給対象となります。

<要件>
①育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて、育児時短休業を開始したこと
または
①育児時短就業開始前2年間に、被保険者期間が12か月あること

②育児時短就業開始前6ヵ月(2025年4月1日前6ヵ月)に支払われた賃金額水準と比べて、2025年4月1日以降の賃金額が減っていること

4月以前からすでに時短就業をしている方に関しては、ほとんどの場合で対象とならないと思いますが、全員確認してみることをおすすめします。

<参考資料> 育児休業等給付について|厚生労働省(確認日:2025年3月13日)

2025年3月13日

著者紹介

大城 未久
人事コンサルティング部 人事コンサル課

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